【解説】文豪ストレイドックス第二話『或る爆弾』

【前回】第一話『人生万事塞翁が虎』(http://article.coneqt-8.com/bungo-stray-dogs-01/)

初めまして。本記事を執筆させていただきます、さゆっとと申します。
もう本編は六話が放送になります。
本記事もなんとか追いついていきたいところです。

 

さて

4月6日から放送開始された『文豪ストレイドックス』

キャプチャ

第二話『或る爆弾』を簡単な解説と感想を交えながら紹介していきます。
内容に関して、というよりも元となった文学作品に興味を持っていただけたら嬉しいな、といった内容になっております。
(ネタバレを多大に含みますので、未視聴の方はお気を付けください)
(ここまでテンプレですが、ご了承ください)

 

キャプチャ2

余談ですが、アニメって大体その時々の最新デヴァイスを使うものだと思っていましたが、ガラケーでしたね。
ドラム缶の中で折られている太宰の暗喩かとも思いましたが、それは流石に考え過ぎでしょう。

タイトル解説

先に申し上げておきますが、今回の記事は(今回から、になるかも?)私の主観による考察が多く含まれております。意見が違うことがあるかもしれませんが、こういう意見もあるんだな程度で見ていただければよいのかなと思います。

今回のタイトルは『或る爆弾』でした。

或る、という言い回しはかなりありふれていて、元ネタが掴み切れないのですが、恐らく谷崎潤一郎の『或る異端者の悲しみ』なのではないか、と考えます。
理由として、爆弾魔役が谷崎であった点。また『或る異端者の悲しみ』という作品が、谷崎潤一郎の自伝的小説で、「自分は何故こんな苦しい人生を生きなければいけないのだろうか」と悲しみに嘆く青年をテーマにしているものだからです。
報われない底辺の生活から野心を持ち自力で這い上がっていく姿を描いており、敦の出自や境遇と重なる部分があるのではないでしょうか。

次に個別の文章に関して見ていきたいと思います。

大まかな細かい文章(日本語がヘタクソだけど伝わってください)は第一話の元の変化しておりません。

変わっている部分を見ていきましょう。
まず「月下獣」から「山月記」へ変化しているのが目に入ると思います。
第二話は、異能を使わず人間としての敦のパーソナリティをメインに描かれていたからなのかな、と私は勝手に納得していました。
キャプチャa
この辺りのシーンは気弱さや今までの不憫さが描かれていましたね。

タイトルの赤字の下に書かれているのは、『山月記』の一文です。人間を虎へと変貌させたのは傲慢さであった、と第一話の解説でも述べましたが、作中では臆病な自尊心と表現されたそれが、敦には無いでしょう。憤悶と慙恚、すなわち羞恥心を感じる暇もなく、敦は今まで生きていたのではないでしょうか。
『山月記』で虎になった李徴と大きく異なる点であり、敦というキャラクターの魅力がこの辺りなのではないかなと思います。

中心部分にある一文は、『人間失格』から。
第二話序盤でドラム缶に入り自殺しようとしていましたが、自殺願望者は自分以外の「死にたいと思わないような人」というのは全く別の生き物のように感じてしまうのではないでしょうか。これは自殺願望者を別のマイノリティに置き換えても言えることで、自分は人間のフリをしている感覚がずっと付き纏って生きなければなりません。作家太宰治がそうだったように、異能を消す異能、いわば対異能で最強とも言える異能を持った太宰も人間のフリをしている、そんな気がします。

ところで、国木田の異能を使うシーンがありましたね。

キャプチャs

カッコいい。折角だし国木田独歩の作品から一文持ってきても良かったのになとは思いました。
原稿用紙描写良いですよね。ともすればバラエティ番組のようなテロップになりがちな説明をスタイリッシュに画面に置くことが出来る、バトルアニメ的にもわかりやすい表現だなと感じています。

内容解説

解説するようなことは例の如く特にありません。
純然たる感想です。

  • 感想その1
    ある意味日常パートみたいな今回はコミカルさが増していて良いな
  • 感想その2
    福沢諭吉が想像以上にカッコいい、ありがとう力也
  • 感想その3
    遂に次回は芥川だ!!!!!

キャプチャd

この異能発現の際には、芥川の異能名でもある『羅生門』の一文がちらりと映っています。主人公の下人が、己が生き延びるためには手段を選ばない、という決心をする、そのような場面の文章です。
まさに敵役に相応しい、徹底的な悪を感じさせる引きでした。
第三話も楽しみですね!


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アニのオタ、ゲーのオタ

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