『コロコロ創刊伝説』とは
『コロコロ創刊伝説』は2014年10月に発売された『コロコロアニキ』第1号から連載されている漫画です。作者は『つるピカハゲ丸』でおなじみの「のむらしんぼ」です。
内容はその名の通り、『コロコロコミック』の創刊号発売前からの歴史です。作者ののむらしんぼは創刊号から漫画を掲載していたわけではありませんが、創刊された2年後には同誌で『ケンカばんばん』という作品でデビューしています。
そんなのむらしんぼが見てきたコロコロの歴史を描いていくというのがこの『コロコロ創刊伝説』という漫画なのです。
のむらしんぼのコロコロ人生は一枚のハガキから始まりました。1977年、立教大生だった彼は大学生活の傍ら漫画制作もしており、『コロコロコミック』ではなく『少年サンデー』の新人賞に応募しました。その結果として返ってきたのがその一枚のハガキです。
のむらしんぼは『少年サンデー』で連載出来るのかもとワクワクしながらハガキの送り主に会いに行くと、のむらしんぼが将来描くかも知れない雑誌は『コロコロコミック』だと思いも寄らぬ返事をされたのでした。
当時はまだ『コロコロコミック』なんて雑誌は発売されておらず、編集者は手当たりしだい『コロコロコミック』で連載してくれそうな作家を探していたのです。
ところが『コロコロコミック』の編集者がどの雑誌の部署へ行っても作家を紹介してくれる優しい部署はありませんでした。それもそのはず、どの部署も必死なのです。それでも頼み込んでいると新人賞の落選者たちなら構わないと言われます。
その落選者の中にいたのがのむらしんぼだったのです。落選者たちを磨き上げて作られた漫画雑誌、それが『コロコロコミック』なのでした。
創刊後に生まれた数多くの伝説たちは『コロコロ創刊伝説』にて描かれます。
なぜ『コロコロ創刊伝説』を連載することに?
「あなた漫画と心中したいんでしょ。その願いを叶えてあげます。」
出典:のむらしんぼ 漫画『コロコロ創刊伝説』第1巻
『コロコロ創刊伝説』というのはある男の人生がかかった作品なのです。そう、ある男とは作者のむらしんぼです。
『つるピカハゲ丸』で一世を風靡した大作家のむらしんぼ。『つるピカハゲ丸』はアニメ化もし、のむらしんぼの元には大金も入って来て幸せな毎日でした。
26歳で結婚して妻との間には3人の子供もおり、公私共々これ以上ない人生かと思われたのですが、その幸せは突然終わりを告げました。どんなに人気の作品でも終わりというものがやってきます。
1995年に『つるピカハゲ丸』は連載終了し、その後に描く作品も好調とは行かず次々に打ち切りへ。バブル期にお金を使いすぎてしまい、アシスタントに払うお金もなくなる始末。
最終的には「あなた漫画と心中したいんでしょ。その願いを叶えてあげます。」と妻に言われ離婚、3人の子供たちとも別れて暮らすことになってしまったのでした。
その後もまだ50代だから何とか頑張ろうと新しい作品を編集者に提出しても良い返事は貰えません。
そんな彼が自分に描ける作品というのは何だろうと考えた末、やっとの思いでひらめいたのがこの『コロコロ創刊伝説』なのでした。創刊から現在までの『コロコロコミック』を見続けてきたのむらしんぼにしか描けないこの作品。彼はこの作品に人生を賭けています。
売り上げは好調!!
のむらしんぼが作家生命を賭けたこの『コロコロ創刊伝説』は多くの方に受け入れられ、売り上げも好調です。
のむらしんぼの現在の状況、そして『コロコロコミック』の歴史を知ることの出来るこのディープな作品は『コロコロコミック』を見て育ってきた大人たちに大受けです。
この作品がきっかけとなって作者ののむらしんぼはTV番組『中居正広のミになる図書館』や『ニノさん』などのメディアで取り上げられることに。
『中居正広のミになる図書館』を見てのむらしんぼの歯ブラシは全然買い換えられておらずボロボロだという事を知ったファンから新品の歯ブラシが届いたそうです。
のむらしんぼの生活が良くなっていく!
この作品の魅力として、作者ののむらしんぼの近況を知る事が出来るという点があります。連載当初は借金もたくさんあると説明していたのむらしんぼ。
しかし最近ではそんな彼の生活も徐々に良くなっていっているのです。
本来ならば10年以上かかる借金も編集の方が付き添ってきちんと弁護士に相談した結果、5年ほどで返済できるようになりました。
また『中居正広のミになる図書館』に出演したことでそれを見た実の娘からメールが届いたのです。内容は漫画面白かった、今度一緒に食事しようといったものでした。
のむらしんぼの生活は着実に良い方向へと向かっているのです。そういった近況を知る事が出来るだけでもファンからすれば嬉しいものです。
今までのむらしんぼは『つるピカハゲ丸』など多くの作品で読者を楽しませてきました。ですから昔の読者からすれば、そんなのむらしんぼが辛い人生を送るなんて見たくないのです。
今後も『コロコロコミック』の歴史とのむらしんぼの近況を追っていきたいですね!!