ヨーロッパと日本を跨ぐオタク、ヤスミンです!各国のオタク文化を発信するために、今日も起動中!
IOEA、インターナショナル・オタク・エキスポ・アソシエーション、国際オタクイベント協会。それは、全世界のオタクたちと触れ合うために、そして、日本が誇れるオタク文化を広げるために活動している会。
世界中で開催されているアニメ、マンガ、コスプレや、日本映画、文化をテーマとしたイベントは1000以上あります。日本と直接交流があるイベントもあれば、その国のオタクたちだけが集まるイベントもあります。そんなイベントがたくさんある中、共通のコミュニケーションツール、情報交換ができる制度はありませんでした。IOEAは、全世界のオタクたちを繋げたい、という心から設立された協会です。
今や50以上の加盟イベントを抱えるIOEA代表の佐藤一毅氏に世界のオタク事情やIOEAの活動について聞いてみました。
――IOEA設立の動機は?
「世界にオタクはたくさんいて、イベントに行くことによって、みんなでオタク文化を作り上げています。世界でいくつのイベントがあるのか、把握しきれないほどの数ですが、この仲間たちをもっと知りたい、同じイベントを主催している身として、もっと情報交換ができる場所を作りたい、という考えからIOEAは設立しました。文化の違いがある中でも、同じオタクである、日本のアニメが好き、コスプレが好き、という情熱があるから、繋がれたらいいな、と考えていました。
みんなで意見を言い合える場所を作ろう
インターネットを通じて繋がれるかと思ったものの、意外とうまくいきませんでした。そこで、協会を作って、みんなで意見を言い合える、経験を分け合える場所を作ろうと考えました。」
――日本と海外のイベントで違いを感じますか?
「基本的にイベントは4種類を分けることができます。
一つ目は同人誌系。日本のイベントで例えるとコミケ等です。
二つ目はエキシビション、見本市系です。見せ物や出し物がある、日本のイベントでいうとアニメ・ジャパン等です。
三つ目がコンベンション。学会とも言えます。SF大会等があります。
最後にコスプレメインのイベント。ワールドコスプレサミットが有名です。
今はこのように、分けることができますが、いずれは混ざって、新しいものが生まれるかもしれません。例えば台湾では同人誌の人気が高く、日本のコミケ向けに日本語で同人誌を描く人もいます。アメリカでは、ファン・アートには興味がありますが、他の人が新しく描いた物語にはまだそれほど興味はありません。
日本のイベントでのコスプレ率は5%
コスプレに関してもいろんな違いが見えてきます。アメリカのイベントには、50%ぐらいの割合でコスプレイヤーがいます。ドイツだと、きっと80%ぐらい。アジアのイベントとなると、20%ぐらいまで下がります。日本のイベントを見ると、5%ぐらいと、とても低いコスプレ率なのです。コスプレ専門のイベントには多く、アニメイベントには少なくいるんです。こうなると、コスプレのイベント、同人誌のイベント、という分け方もこれから変わっていくかもしれません。
コスプレは少し前まで、一部の人しかしないという印象がありましたが、最近は、ネットで買えるようになり求めやすくなっていて、とくに、海外では当たり前のようにコスプレしているのを見て、日本でも徐々に認められつつあります。徐々にコスプレを着てイベントに行くことが当たり前になってくるかもしれません。」
――最後に、オタク文化についてどう思いますか?
「文化って、価値観だと思います。だから、オタクになっても、普通の人間でいられるんです。言い換えれば、普通の人間もオタクになれるんです。私たちIOEAは、世界にこんなにたくさんオタクがいます、こんなに仲間がいます。だから、オタクでいることは悪いことではありません、良いことである、と伝えたい。この世界にこんなにオタクがいるなら、オタクでいることは良いことに違いない。オタクを評価されたいです。国が違っても、オタクであることによって、通じ合うことがあります。それは、確実に一つの価値観、文化が出来上がってるってことではないでしょうか。
オタクは、ノーベル平和賞を取ります
文化は、平和でないと進歩しません。そこで私たちは、平和なオタクには、文化に貢献する力があると思っています。そしていつか、本当の一つの文化として、オタクが認められると信じています。いつか、オタク文化で、ノーベル平和賞を取りたいです。世界を結び付ける力、平和をもたらす力が、オタク文化にはあると思います。
IOEAは、世界のオタクたちを、これからも繋げていきたいと思います。」
IOEAの佐藤さま、貴重なお時間をありがとうございました。
佐藤氏とお話しさせていただきながら、オタクって、情熱的で、感情豊かで、夢や目的を追いかける力がある、と感じました。これからもIOEAと、オタクコミュニティーと深くかかわって、新しいものを生み出したり、作り上げる活動を応援したいです。