機動警察パトレイバー 劇場版
http://ecx.images-amazon.com/images/I/51Wsb4mWSvL._SL500_.jpg
1989年公開 日本アニメ大賞受賞
監督 押井守 脚本 伊藤和典
当時、アニメ雑誌(ニュータイプ等)で存在は見かけた事はあり、存在はとても気になっていたが、当時小学生の小生はOVAとか劇場版とかの意味があまり分からず、再度出会う事になるのは90年後半の大学時代となる。
そこからは酷いもので、どっぷりとハマり、OVA初期 劇場版 OVA後期 劇場版2を劇場で鑑賞と私のアニメ史に燦然と輝く名作となってしまった。本当はのべつくまなく熱い思いを伝えたい所だが、今回は最もハマった、当時クソ高いセルビデオまで買った「機動警察パトレイバー劇場版」にのみについて語ろう。
ちなみに時代は変わり、メディアは変わりDVDも購入している。
帆場の自殺。
(引用:http://miyabiphoto.s1.weblife.me/_src/sc5821/b2eaa8db.jpg)
唐突でBGMのみであまりよく分からない景色のいい所のシーンから始まる。そこで飛び降り自殺を図る。正直言って訳が分からない。ただ、ラスボスが最初に死ぬ、もとい自殺するという斬新なストーリーは非常に良い。
自衛隊の戦闘
(引用:http://tn-skr1.smilevideo.jp/smile?i=25373368.L)
自衛隊の虎の子の空挺部隊のヘルダイバーとHAL-X10の迫力の戦闘。数で勝るヘルダイバー部隊が鎮圧するも、なんとコクピットは無人であった。この無人というのが非常にミソ。
ちなみにこの二項目がオープニング。素晴らしい音楽と共に映像、ストーリーの??と共に一気に引き込まれていく。
大雑把な登場人物の紹介を。
第二小隊
泉野明 レイバー一号機に搭乗。北海道出身。
篠原遊馬 篠原重工の御曹司 次男。親の策略で警察官に。一号機指揮。
太田功 レイバー二号機に搭乗。すぐ銃を撃つ問題児
進士幹泰 二号機指揮。唯一の妻帯者。太田に頭を痛める。
山崎ひろみ 二号機バックアップ。巨体。
香貫花クランシー 元第二小隊 二号機指揮。今はNY市警に。
後藤喜一。 隊長。切れ者がゆえに生殺し状態に。通称、カミソリ後藤。
松井さん 後藤隊長と繋がっている刑事
帆場栄一 篠原重工開発者
帆場栄一はHOSの開発者。直接の顔は出ない。英語表記だとE,HOBA。エホバと呼ばれ狂喜したそうな。マスターコピーにエホバのバグを仕込んでいたり、暴走事故のプログラムを入れていた今回の騒動の犯人。
「エホバくだりて かの人々の建つる街と塔を見たまえり いざ我らくだり かしこにて彼らの言葉を乱し 互いに言葉を通ずることを得ざらしめん ゆえにその名は、バベルと呼ばる」
エホバのくだりは覚えたなぁ。孔雀王とコレで旧約聖書に興味をもちましたわ。
場所は変わり
(引用:http://ks.c.yimg.jp/res/chie-que-11145/11/145/108/726/i320)
箱舟
時代は90年代。バビロンプロジェクトという工事がキーなのだが、要は東京湾埋め立てプロジェクトで、その特需の為にレイバーが発展した背景がある。そのプロジェクトのレイバーの湾岸基地の事を通称「箱舟」多層構造物のどデカい建物がポツンと海上にある。そこで次期主力警察レイバーといわれる零式のテストをしている第一小隊の南雲を第二小隊の篠原と泉が迎えに行くという口実の元、後藤の指示で見に来る。
零式
いかにも悪役っぽく写されているが、かっちょいい。
(引用:http://e97h0017.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_ec2/e97h0017/2009112801.jpg?c=a0)
格闘戦に主眼を置いているのか、警棒ではなく、貫手が装備されているのが面白い。
(引用:http:http://tn-skr1.smilevideo.jp/smile?i=21615888.L)
暴走事故
町中で運転手が操縦をせず、勝手に土木作業用レイバータイラント2000が暴走。その解決に特車二課が向かう。
(引用:http://kai-you.net/r/img/a/620x/PATLABOR_THE_MOVIE.jpg)
ダラッと落ちこぼれ感の出る二課だが、出動要請があると一気に仕事モードなのが良い。
ヘリの実況が秀逸でドロップキックにはいつも笑えてしまう。
この暴走事故の主人公は大田。最後の無許可でのレイバーでの発砲はいつもの事ながら安心感がある。
ココから二課の篠原ルート、後藤隊長からの依頼の松井ルートで調査が進んでいく。
篠原重工
(引用:http://http://livedoor.blogimg.jp/ssm4869/imgs/f/7/f7800e48.jpg)
結局、暴走事故の原因を突き止める事は出来ず、共通項目の篠原重工製という事で篠原重工での調査。篠原がオペレーティングシステムであるHOS(ハイパーオペレーティングシステム 通称ホス)のマスターコピーを発見するも、とんでもないプログラムが入っている事を突き止める。
(引用:http://car.watch.impress.co.jp/img/car/docs/511/836/c01.jpg)
この時のコブラがヤバい。コブラといえばゴーストスイーパーの美神が乗っていた。一時期、本気で購入を検討したが、当然に身の丈が合わず断念。APコブラやばいわ。
松井刑事
帆場栄一確信犯説を後藤隊長が睨み、盟友?の刑事松井に調査を依頼。
帆場の足取りを追う。
(引用:http://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/004/240/513/c02f1e24e6.jpg)
こんな風景が東京にあるのか?と錯覚させられるぐらい緻密な映像とまたとても合う音楽。
(引用:http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/A/AmberFeb/20140817/20140817212703.jpg)
変わりゆく東京、変わりゆく時代に何か寂しさ・神秘性を感じてしまう。
松井刑事の心象は「黒」ただし、ホシが先に死んでしまったら出番がないとの事。
風速40メートル
(引用:http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-f1-5e/baikindaddy/folder/975509/84/36125784/img_1?1414545148)
篠原たちは暴走プログラムの元を人間には聞こえない周波数と突き止め、それの増幅装置が「箱舟」と分かり箱舟を破壊することに。
箱舟決戦
(引用:http://livedoor.blogimg.jp/ssm4869/imgs/0/3/03c543fd.jpg)
スタートのガードロボットの戦闘は非常に見ごたえがあり、特車二課のチームプレイの良さを感じる素晴らしいシーンである。お約束ではあるが、暴走は防ぎきれず、冒頭にあった零式までも暴走してしまう。
(引用:http://blog-imgs-49.fc2.com/e/i/g/eigamove/20121101155616d7c.jpg)
破壊「パージシステム」までも汚染されており、結局は手動で破壊を慣行。この時に一悶着あるが、鳥の首にかけられていたのが「666」のプレートとまたも意味深。
零式との戦い~エンディング
(引用:http://livedoor.blogimg.jp/ssm4869/imgs/4/3/438eaa54.jpg)
パトレイバーとは今までのロボットアニメと一線を画すのはスーパーヒーローなんぞではなく、警察官だという事だ。もちろん、機体はヒーローモノとは違いきちんと破損するし、必殺の武器などもリボルバー等の銃器以外にない。この劇場版でも零式を倒すわけでもなく、機能停止に追い込んでいる。
また、最後の後藤隊長がヘリで迎えに来た時に流れるエンディングテーマだが、素晴らしく良い。スピード感・リズム、すべてにおいてパーフェクトな音楽。いまだにCDにはお世話になる。
最後に。
基本、機動警察パトレイバーに明確な敵はない。しかも、警察なのでいつも後手。最初に見た時は昔のロボットアニメのように対立軸がなく、淡々とタルいストーリーだなと思っていたが、時が経つに連れ、社会の仕組みを少しは分かり、労働という時間的精神的拘束、組織という縦社会の理不尽な集合体が分かってくるとこのアニメは一変する。もちろん現実社会と比べると突っ込み所は多いが、深く理解する事ができ「ああ、大人のアニメなんだな」と痛感する。そんな組織にがんじがらめの貴方に。冷房の効いた部屋で焼酎でも片手に。
ちなみに舞台は1999年。もう2016年だぜ、おいおい。